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　のこんぎく

　森の中にある幼稚園は、クリーム色のスモッグを着た子供たちが今日も裸足で泥んこ遊びをしています。スモッグのお腹には15センチ程のポケットが一つあって、そのポケットに母親たちがそれぞれにお名前代わりの工夫を凝らしていました。キャラクターのワッペンを貼ったり、お名前のフェルト細工をしたり、それはそれは賑やか。

　私の母は、ポケットに小さな薄紫色の野花を刺繍してくれていましたが、子供心に私のポケットは何て地味なんだろうと感じていました。

　ポケットが木の実でパンパンに膨らむ秋の日に、野紺菊を摘みポケットに入れたら、ポケットの刺繍と相まって　あら！私のポケットいい感じ!っとうれしくなったのを覚えています。